今朝、たまたま耳にした音楽が、ルックの「シャイニオン」だった。
とても懐かしく思った。一度聞いたら忘れられない曲である。
もうとても前の曲で、1980年代頃の曲だと思う。
歌詞自体は、別れた女性が忘れられないという、ありふれた陳腐なものだが、この曲が優れていたのは歌詞ではなく、その旋律と歌声である。
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曲が売れる売れないに関わらず、聴き惚れさせるためには、もちろん持って生まれた美声が必要だが、それと同時に、自分の守備範囲のオクターブの曲と自分の声色に合った曲を見つけることである。
残念ながら、ルックはこの曲だけに留まり、新しいヒット曲を世に送ることはできなかった。しかし、この「シャイニオン」だけであれ、ルックは後々まで残る名曲を生み出した。
自分は綺麗なものを綺麗だと感じることができると信じている。
自分の感性に従っているだけよ。
一般受けするかしないかに関わらず、まずは自分の感性に従って判断すればいい。
この曲は好き、この絵は嫌い、この人は好き、この漫画は嫌い、、、。
簡単な二分法で、好きか嫌いか、直感的に判断して決める。そのあとで、じゃあなぜ、私はこの曲が好きなんだろうと少し深く考えてみる。
考えれば、その理由が何か浮かんでくるだろう。歌声が好きなんだとか、旋律のこの部分が堪らなく好きなんだとか、より具体的に見えてくると思う。
そして、またそこから自分なりに考えを深めていくと面白いと思う。
私は何事によらず、こうした方法で、時間があれば考え事をしてしまう。
あの人は、ああいう言葉を、ああいう表情で言ったけれど、本心はどういうつもりだったのだろうとか、、、。
音楽は時代の精神を反映している。
戦前の曲、戦後の曲、高度成長期の曲、音楽が細分化していく80年代以降の曲をそれぞれ聞いてみると、全く受け取る感じが違う。
音楽分析の書物は巷に数多くあるが、世間一般的には、音楽で世の中が分かるはずがない、漫画ごときで世の中が分かるはずがない、と言った意見が今でも多いのではと思う。
しかし、世にあるものは全て社会に属し、人が作り上げたものである。時代精神や社会情勢を反映していないものなど一つもない。
音楽は社会の関数であり、漫画は社会の関数である。