先斗町を足早に歩いていたら、二匹の猫が丸く蹲っているのを見つけた。
猫は、場所によって顔つきが変わる。
A町の猫たちが美人ぞろいだとすると、B町の猫は太っていたり、C町の猫はあまり可愛くないとか、、、そういう傾向がある。
練馬区のある街に住んでいた時、その界隈の猫たちは美人ぞろいだった。
猫って、ふてぶてしいイメージが強かったけれど、この街にいた時は猫に愛着が湧いた。
学生の頃、半年ばかり、猫を預かっていたことがあった。
その猫は、部屋の高いところばかりに移動するので、いつも私は猫を下から見上げる形になっていた。
比較的、落ち着いた性格で顔立ちも綺麗だった。
私が名前を呼ぶと振り向いたけれど、猫らしく、いつも自分のペースで暮らしていた。
猫になりたい 言葉ははかない
消えないように 傷つけてあげるよ
言葉の世界が優っているのか、身体の世界が優っているのか。
人間の世界と猫の世界
東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 柴門ふみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/01/12
- メディア: コミック
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若い頃、マンションに帰ってテレビをつけると、東京ラブストーリーをやっていた。テレビは流しているだけで、あまり真剣に見なかった。音楽を流しているのと同じだ。
小田和正の歌声はよく覚えているけれど、このドラマのストーリーはあまり覚えていなかった。
原作の漫画も読んだことがなかったけれど、その25年後の物語が綴られているということで少し興味があり、出版された当時、読んでみた。
昨日、何気なく手にとって、もう一度読んでみた。
中高年になった人は、一度手にとってみるのもいいと思う。
歳を重ねていくこと、人との繋がりが如何に貴重な大切なものかということ、生きるという混沌とした現象をポジティブに楽しく変換して生きていくこと、といったテーマが等身大に語られている。
気になったので、元々の原作も読んでみようと思う。
1巻を少しめくってみたけど、名作だと感じた。
恋愛、家族愛、友情といった愛という、人間特有の不思議な現象
愛は「愛している」という言葉の中に存在するわけではない。
「愛」は、生い繁った樹々の葉の隙間をひらひらと蝶が現れては隠れるように、瞬間、姿を見せてはすぐに消えてしまう。
東京ラブストーリーAfter Wordから
猫になりたい 言葉ははかない
消えないように 傷つけてあげるよ
言葉ははかない。だけど、言葉だけが愛を伝えるのではない。
猫になりたい。だけど、猫のように伝えることだけが、愛ではない。
言葉と、身体と、心と、そうしたことどもの間、人と人との間、人と人との関係性にこそ、愛は存在する。