Mr.Childrenの「あんまり覚えてないや」は、人や物とのふれあいの蓄積を主題にしている。
好きだった女の子と一晩過ごしたこと
突然の奇跡のようなメロディーを思いついたこと
けれど、あくる日になれば、その出来事もメロディもあんまり覚えていない
年老いた両親
彼らはもう昔の若かった頃の姿ではない
だけど、両親と過ごした日々を忘れることは決してない
頭に刻まれ、彼らとの日々をしっかりと覚えている
私たちは社会的存在である。
そして、社会性は第一に両親・家族から伝達・教育され、無意識の記憶として、その人の行動様式を形成する。
両親・家族は、どの人にもその背景に必ず存在している。
一方、しっかりと覚えている両親・家族からテイクオフし、あんまり覚えていない女の子とのことや奇跡のメロディを、自分にとってかけがえのない要素として取り込むこと。
それは、新たな自分を生み出すこと、新しい世界を開いていくことに繋がっていく。
Mr.Childrenの歌では、この曲の収録アルバムが『HOME』という題名を持つことから分かるように、家族の大切さに重点がある。
しかし、現実には、「あんまり覚えてない」と「しっかり覚えている」は合わせ鏡のような関係性にあり、「しっかり覚えている」家族があるからこそ、「あんまり覚えていない」彼女やメロディと触れ合うことが可能になる。