ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

「なんでもないや」、世界の否定から肯定へ

RADWIMPSの「なんでもないや」の、歌の題名「なんでもないや」という言葉は、歌詞の中に一度だけ繰り返して表れるだけである。

だから、多くの人がこの歌を聴いて、「なんでもないや」という言葉をスルーしてしまいがちだと思う。

けれど、題名にもなっているこの言葉にこそ、この歌の真意があると思う。

 

僕と君は、どれくらいの周期か分からないが、会うことはできる。けれどまた離れ離れになってしまう。だから、「もう少しだけ、もう少しだけでいいから、くっついていようよ」と歌われる。

なんでもないやという言葉が出て来る直前には、「君のいない世界にも何かの意味はあって(だけど、そんな世界はつまらない、もういやなんだ)」という意味のことが歌われている。

僕たちは、出会い、またすぐに別れる。だから、会えた時、別れた時は、「嬉しくて泣くのは、悲しくて笑うのは、僕の心が僕を追い越したんだよ」と歌われるくらい、感情の振れ幅が大きい。

結局、この歌は、その大部を、君がいないのが寂しくて、たまに会えればとんでもないくらい嬉しい、だから少しでも一緒にいたいし、もうこんな「時のかくれんぼ」は嫌なんだという、この世界を否定する態度が歌われている。

 

けれど、ただ一点だけ、この世界を否定する態度を跳ね除け、この世界を受け入れ、肯定する言葉が出て来る。

それが「なんでもないや」という言葉である。

 

この歌詞は、「もう嫌なんだ」という言葉の次に現れて、この「もう嫌なんだ」という否定を、今のはなんでもないやと打ち消している。

これは、この世界の受け入れ・肯定である。RADWIMPSは、この悲しい世界を受け入れて、先に進もうと歌っている。

 

なんでもないや、やっぱりなんでもないや、今すぐ行くよ。

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