以前にも書いたように、現在、訳あって聖書を紐解いて読み始めている。聖書というと、多くの日本人は変な顔をするだろうけど、聖書はキリスト教の聖典であるだけでなく、歴史的文献としても重要である。よく町の壁などに聖書からの言葉が書かれていたり、そもそも日本人は宗教自体に疎いので、聖書=怪しいという印象を持ってしまう。
しかし、聖書は、歴史的背景、登場人物の関係、聖書独特の言葉などを理解しながら、ゆっくり読み進めると、意外に面白い物語である。数多くの人間が登場して繰り広げる物語は、三国志、戦争と平和とはまた違うが、気宇壮大である。
現在、読んでいるのは旧約聖書のサムエル記という、イスラエルが王政を敷く直前の士師サムエルの物語である。サムエルがどんな風に生を受けたかから始まる物語は、そうなんだと頷いたりしながら読み進められる娯楽ものです。
聖書は色々なものが出版されているが、日本聖書協会の新共同訳のスタディ聖書がいいと思います。これがあれば、他の関連箇所も書いてあるし、解説もそれなりにしっかりしていて語句とか人物とかを理解しながら読み進められる。
私は嘗て聖書を歴史文献として読んでいたのですが、長い時間を経て改めて読み返してみると、普通に楽しめる物語だなと感じました。日本にはキリスト教をはじめ、幾つかのキリスト教系の宗教もあります。宗教における聖書をイメージすると、やたらとお堅いイメージがありますが、そうではなく、まずは物語として楽しめばいいと思います。