夕焼けを見ることが多くなった。
昼が短くなり、夕暮れの時間が早まって、帰宅の時間帯と重なるようになったからだ。
空にはうろこ雲が広がり、季節は少しずつ本格的な秋に入りつつある。
今まで、何度も何度も、様々な環境で体験してきた季節の変わり目
私たち人間は人と人の間で生きている。人間関係で生きている。
それは、私たちが心という厄介なものを持ち合わせているからだ。
季節を捉え、過去の人間関係をリンクさせ、遠くて手が届かない記憶に心を痛めることもあるだろう。
『アルカトラズからの脱出』は実話を基にした映画だ。
映画では、脱出の理由に軽く触れられているだけだが、何事によらず、決意をするには、迷いや熟慮や焦りが付いて回る。
男女関係でもそうだ。
男女の機微は確かなようで不確かで、流れる川のようにサラサラ行ったかと思えば、逆流に呑み込まれ、水没してしまうこともある。
現在は、1人で生きているけれど、近頃、女性の大切さを改めて感じるようになった。
男性は女性を通じて、世界のあり方を体験している。
だから、男性1人で生きるということは、豊かな世界の姿を、繊細な世界の姿を、見失うことになる。
先日、ある女性が職場を後にした。
また、そのうち帰ってくるのだけれど、寂しかった。
彼女を見てから、もう4年くらい経過した。
私にとっては、彼女を通して、世界の有り様が垣間見えるように思えた。
今は、色々なことを考えてしまう。自分に自信がなくなったのかもしれない。
でもその一方で、女性の存在が自分にとって大切だと感じている。
だから、いつもどうしたらいいのか悩んでしまう。
男女関係なんて、ただの行き当たりばったりの関係なのかも知れない。けれど、その先に、繊細で壊れやすくて手に取ることさえ難しいものが、あるように思う。
小説・文学と呼ばれるものが存在するのは、一つは男性と女性の関係性を描くためにあるのだと思う。
美しい関係、エロティックな関係、高尚な関係、淡い関係、、、どういった関係を描くにせよ、小説の中の技法を使わなければ表現できない関係性が、男女関係だと思う。
宙に浮いている空気を、両手で逃さないように包むように汲み取らなければいけない。
Over my head ,I long to be above pain.