イギリスの名優ジョン・ハートが亡くなった。
『エレファント・マン』(1980)で日本にも名前を轟かせたが、『ミッドナイト・エクスプレス』、『エイリアン』、『ハリーポッター』などにも出演し、どんな役でもこなせる神出鬼没の演技力を見せた。
私は『エレファント・マン』を見て、一体どんな俳優が演じているのか気になったし、またそれ以前に、ジョン・メリック(エレファント・マン)本人が登場して(そんなことはあり得ないのだけれど)演じているのかと錯覚するほど、凄まじい役作りだった。
ジョン・ハートを見てると、私もこんな風に年老いていきたいものだと思わせた。他の追随を許さない抜群の演技力で舞台・映画界において異彩を放ち、役者一筋で生き抜いた。
昨日ブログに書いた、絶品餃子の中華料理屋の調理師も、中華料理では並ぶものがいないほどの腕前で、客を引き寄せた。
この店に入って、どれでも一品注文して出てきた料理を見れば、それがすごい料理であることが直ぐに分かる。
ジョン・ハートと中華料理屋の調理師。
世間の認知度と言うことではなく、ある道を極め、辣腕を振るうことは、世間の認知度とは交差しないレイヤーにおいて、その人を認知する人によって驚嘆の声をもって迎えられ、彼らの人生の大切な空間を占めることになる。
どんな道においても、究めると言うことは生き甲斐ということを超えて、誰も見ていない世界と出会うことであり、神のごとき存在に近づく道であると思う。