坂本龍一の「async」を聴いていて、ストラヴィンスキーの「火の鳥」に連想が行った。
「火の鳥」は好きでよく聴いていた。
「火の鳥」にはいくつかの異なったver.が存在していて、私が好きなのは、1919年版である。最初に聞いたのがこのヴァージョンだったからかも知れないが、わずか30分くらいの間に、序奏から始まって終曲に至る、色彩豊かで、聞くものの耳に残る美しい旋律が続いていく。
N響のホルン奏者であった亡き千葉馨が響かせた音色を、随分前にテレビで見たことがあった。
終曲のホルンソロで始まるカンタビーレは、美しいの一言に尽きる。もしかすると、このホルンソロに着想を得て、ジョン・ウィリアムスは「スターウォーズ」のホルンソロを生み出したのかも知れない。
ホルンに関わらず、「火の鳥」1919年ver.には、20世紀現代音楽が到達した極致を、凝縮して見ることができる。
**♪NHK音楽祭2007 ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1919版) / クリストフ・エッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団 2007.11.5