現在、通常業務以外に特別業務があって、これが週末までには終わるので、やっと今週末は写真を撮りに行くことができる。
それで、思い切って東京に行ってみようかと思ったのだが、考えてみると、東京はそもそも広いし、撮影したい場所もたくさんあるので、例えば池袋だけでも、1日では済まないと思ったし、そういう場所が点在しているから、やっぱり無理だと諦めた。
来月号の『アサヒカメラ』は「鉄道写真の深淵」という題名で特集を組んでいる。表紙の写真は北海道だろう、雪の降る中の駅の一コマになっている。いかにも「深淵」という言葉がぴったりな写真に思えた。
鉄道は、私としては魅力がないわけではないが、電車自体を撮りたいという気持ちはあまりない。駅の風景は面白いと思うけれど、電車写真の良さが今の自分にはまだ分からない。
トランプ大統領が出した大統領令で、米国は混乱している様子だ。
民主的な選挙で選ばれた大統領であるから、憲法・法律に則って行われる行為・法令は効力があって当然である。トランプの行なっていることは、内容的に間違っていても、手続きとしては何も違反していない。
トランプの登場は、第一次世界大戦後の世界に登場したヒトラーに似ている部分があるように思う。国粋主義・排外主義・保護貿易など、ナショナリスティックなところも相似している。
ある映画の場面が時々頭に浮かんでくるのだが、何の映画なのか思い出せなかった。
けれど、昨日別の理由で見た映画が、その映画だった。
『裏切りのサーカス』は冷戦下のヨーロッパを舞台としたスパイ映画だ。
時々頭に浮かんでくる場面は、あるスパイが朝のカフェテラスで殺される場面だ。
長閑な屋外のカフェのテーブルを立ち上がって間も無く、ピストルで殺されてしまう。
巻き添えで近くに座っていた赤ん坊を抱いたお母さんが射殺されてしまう。そして、その光景を自宅の2階から見ていた老婦人の驚きの表情。
なぜか、この場面が頭に焼き付いている。
静寂の中で、日常の中で、とんでもないことが起こっているのだけれど、何もなかったかのように淡々と時間が流れて行く。
ヨーロッパの歴史は、統合と分裂の歴史である。
様々な成り立ちの国が犇めき合ってヨーロッパの歴史を作り上げてきた。
そこには日本とは全く異なるエートス(生活態度)があり、古代より重層的に積み上がってきた歴史がある。
映画の一場面にも、そうしたヨーロッパの匂いが嗅ぎとられる。
週末は、行ければ姫路城や明石海峡辺りに行って、お城や海や街を撮りたいと思います。