今日は雨降りであった。
夕方、そんなにひどくなかったので、雨の中を外出した。けれど、電車の中から外を見ると、暗雲が立ち込め、猛烈に雨が降っている。
結局、足元から肩から、結構雨に濡れてしまった。
子供の頃、よく、雨雨降れ降れの歌を歌った。雨に濡れるのはあんまり気持ちのいいものではないけれど、雨自体は好きだった。
手塚治虫の漫画に『雨降り小僧』という作品がある。
これは、切ない話で、でも少年と大人の心がどこにあるのか、どこに重心があるのかを、短いストーリーの中で、描ききっている。
雨降り小僧は少年にしか見えない。少年の心を持つ人にしか見えない。人を疑うことをせず、純粋に生きる少年と雨降り小僧。
けれど、少年が大人になった時、目前の雨降り小僧は少年の前から姿を消していく。
大人になった少年には雨降り小僧が見えなくなってしまうのだ。