先週のモーニングから全4回で惣領冬実が『マリー・アントワネット』を描いている。
彼女の『チェーザレ』が好きでよく読んでいた。今回の作品の評価はまだできないが、惣領冬実の少女漫画タッチの画風は、ヨーロッパの歴史物を描くのに適していると思う。
でも歴史物は、よほど様々な資料を集めて、当時の衣装や建物や食べ物といった歴史的背景を描いていかないと、全く時代性というのが浮かび上がって来ない。時代考証がない歴史物は、現代が舞台であることと同じになってしまう。
その点、惣領冬実の描く作品は、いつも碩学の学者や、今回であればヴェルサイユ宮殿の監修を受けていて、土台がしっかりしている。この時代考証が歴史物では前提条件であり、その上で、登場人物の色付けによって大きく作品の良し悪しが決まっていく。
マリー・アントワネットをどのような人物として描くのか?それが楽しみである。