ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

漂流、キャストアウェイ

2000年の映画に『キャストアウェイ』という漂流物があった。Fedexでの仕事中、飛行機が墜落し、無人島で4年間暮らし、再び元の世界に戻っていくという波乱に満ちた生を描いた。

この映画の教えは何だろう?

人生は一直線に伸びる眺めのいい道ではない。予想もできない出来事が降りかかる不安定なものである。もちろんそうである。

主人公が漂流する前、彼には恋人がいた。しかし、4年間の不在期間を経て元の世界に帰還した時、恋人は別の人と結婚していた。再開した二人は自分たちが嘗てのように愛し合っていることを確認するが、もう既に元の関係には戻れないことも分かっていた。

主人公は4年前に不時着したため届けられずにいた荷物を、宛先に届ける。帰り道、行き先の分からない方向へと車を走らせる。彼は、過去に他者に、捉われていたことこそが災厄だったと理解する。そこに人生の幸いがあったのかも知れないが、振り切るという行為にも、幸いは存在するということを自覚して、目の前が開ける思いで荒野の道を進んでいくのである。