自殺クラブなんて存在しません。この世界の方がずっと自殺クラブですよ。私たちのサークルよりも自殺者が多いわけですから。人は死に眼が行きがちです。でも自殺は私たちのごく一部です。
悪の存在も、ちょっとはわかった。この世には、困難な問題が、実に、おびただしく在るのだという事も、ぼんやり予感出来るようになったのだ。だから僕は、このごろ毎日、不機嫌なんだ。ひどく怒りっぽくなった。知恵の実を食べると、人間は、笑いを失うものらしい。
- 作者: 宮台真司
- 出版社/メーカー: 講談社
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制服少女たちの選択―After 10 Years (朝日文庫)
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何もかもが「程度問題」になっているなかで、自分勝手につくりあげた仕切りのこちら側に自分がいるという事実をもって「自分はメチャクチャではない」という自己イメージを保とうとしている-それが彼女たちなのだ。逆にいえば、彼女たちがそのような作法に固執しなければいけないのは、何が道徳なのか、何がいいことなのか悪いことなのかはっきりしなくなっていて、だから自分がどこにいるのかよくわからないからなのである。