平成とともに始まったアニメ版をよく見ていた。そこに描かれていたのは昭和時代であった。数年前に昭和が終わったから、懐かしさもなく、世間にはまだ昭和の名残があった。
昭和時代とは何だったのだろうか。平成が始まった頃には、はっきりとは分からなかった。
長渕剛は昭和が終わった直後に、「昭和」という曲を書いた。
傷つけば傷つくほど優しくなれた
貧しさは大きな力になり
意気地のなさは勇気に変わる
・・・
とうとう昭和の歴史が終わった
長い長い昭和の歴史。
傷つけば優しくなれ、貧しさも生きる力になり、意気地のなさも勇気になる。
マイナス面がプラス面に直結する時代、昭和。
素直、実直、真面目、正直といった言葉が浮かぶ。
昭和の歩き方は、真面目さがキーワードだった。
平成は、昭和とは連続する時代でありながら、そのカラーは異質だった。
平成の歩き方には、ひねり、軽さ、透明といった言葉が必要だった。
そして、おそらく、昭和から平成への越境は、1980年代のバブル期に徐々に行われたのだと思う。
今やもうすぐ、平成も終わろうとしている。
時代は、真面目さから軽さへ、そしてどこへ向かおうとするのか。
昭和は遠くなってしまった。