しかし、そこで出会った学問には疑問があったし、当時のアカデミックなスタイルは、衒学的とでも言えるような、それこそ趣味的であるようなスタイルであった。
だから、実際のところ、そのような学問など学ぶ必要もないと思えたから、私は関心のあるもの以外、単位を落とさない程度に出席して、他のことに時間を当てていた。
もうしばらく待てば新しいスタイルの学問が出てくる前段階であった。
数年後、これが学問というものだという初々しい姿の芽があちこちで出始めてきた。
難しいことではない、学問などと堅苦しく言っているが、要するに頭でしっかり考えて、納得した筋道で論を立てていく。それを人真似でなく、自分の頭で考えていく。
そうすれば、その人独自の思考の軌跡が描かれて、魅力的な学問に繋がっていく。
私が学生時代に身につけた一番大きなことは、学問の内容ではなく、物事に当たるとき、物事を考えるときの姿勢だった。
自分の頭で、地に足をつけて普通に考えて行くこと。
このことと同時に、私は学問や物事ではなく、人に対するときの大切な姿勢も、朧げながら感じ取っていた。
それは、人と地に足をつけて真正面から向き合うこと、辛くても目をそらさずに人と向き合うこと。
しかし、こちらの方は、今でも辛い。人と向き合うのは本当に精神力がいる。だけど、それを乗り越えないと、その人と本当に向き合うことはできない。
もう10年ほど前から、簡単に会社を辞めてしまう新入社員がクローズアップされている。現実を知らない若者が、それに耐えきれず辞めて行く。
やはり、教育の力が落ちて行っているのも原因だろうし、親の力不足も原因だろう。日本社会のパワーがなくなっている。
今は、次を担う世代を育てなければならないと思う。
前向きに、元気に、パワフルに
どんなときも、ポジティブに生きること
これも誰もができる訳ではない。ならば、できる人がみんなを牽引して行く
倒れるまで引っ張って行けばいい