昨日は、部下のミスの後始末で、本人ともども出勤した。
昼から長く伸びた髪を切りに行った。
ふと、髪を切ってもらっている最中、山口市に行ってみようかと思った。
結局、行かなかったのだが、行くつもりでいたので、新幹線で読もうかと思い、『文学界7月号』 を買った。村上春樹が久しぶりに短編を載せていたからだ。
今日は、それほど暑くなく、どちらかというと涼しい方で、部屋の中にいると、外を吹いている風が木枯らしのように思えた。
村上春樹の短編を読んでいると、木枯らしの音と相待って、昼間なのに、深夜に一人小説を読んでいた学生の頃のように感じられた。
昨日から、たまたま手に取って読み始めた。
既読書なのだが、また一から読みたくなった。
しかし、恐竜は一億五千万年生きながらえて絶滅したことを知ると、人類もいつか絶滅するという運命を受け入れざるを得ない。
なにせ、種の99.9%が絶滅して来たのだから。
淡い恋愛模様も、上司の陰湿ないじめも、穏やかな土曜日の午後の微睡みも、泡沫のごときものとなる。全ては過ぎ去った時間の堆積の中に埋もれて行く。
醍醐寺五重塔は平安時代、西暦1000年くらいの頃の建造物である。
もう千年も経過している。これだけでも驚きである。
だから、一億年というレベルになると、これは人類の歴史を超えているというよりか、生命史レベルの問題で、こうした時間感覚を私たちが肌感覚で捉えることは難しい。
アルゼンチンがアイスランドと引き分けた。
少し驚いた。アルゼンチンは弱くなったのか?
サッカーも日本に根付いてきた。Jリーグが始まった時は、やっと日本もと思ったが、小学生の頃など、野球しかなかった。私の受け持ち担任は珍しくサッカー選手だったのだが、体育の時間はサッカーかと思いきや、器械体操ばかりさせる先生だった。
夜眠る前は、ヘッドホンをつけて音楽を聞きながら、眠くなるまで聞いているのが常だった。
最初はクラシックが多かったけれど、フォークやポップスやロックや色々なものを聞いて眠りについた。
ずっと書物を読み続けている夜もあった。風の音や雨の音が夜を通り抜けている。そんな時、物語の世界に入り込むことは、自分の体がどこか現実とは異なった場所に置かれている気がした。
仕事が嫌な訳ではない、生きるのが嫌な訳ではない、嫌なのは、単調な単層な世界に生きること。
私たちは決して、直線的な世界を毎日生き続けているのではない。私の中には、いくつもの異なった世界が並存し、並行して走っている。
私はそのいくつかの世界を同時に生きたいだけである。
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もう随分前に、ローリングストーンズは、『山羊の頭のスープ』というアルバムを発表した。
私も、長い間、よく聞いていた。その不思議なアルバムの世界に浸ることは、別空間への移動を意味していた。
ドラッグや宗教といった媒介を経ずとも、日常の少し先に異世界は開けている。
「どこに行きたい?」
「どこにも行けないよ」
「どこにも行けないから、どこにでも行けるんだよ」
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Mr.childrenも、『深海』から、複数の世界、闇の世界、異世界に接触する曲作りを始める。
連れてってくれないか
連れ戻してくれないか
僕を
僕も
それまでの単層的な曲から打って変わって、重みのある世界に移行した彼らは、新しい世界を畏れているようでもあり、惹かれているようでもある。
怖がることなんてない。怖いのは分かる。けれど、
今のとき ときが今なら この今を
ぬきさしならぬ 今とするしか
(村上春樹「石のまくらに」)