西城秀樹が亡くなった。
びっくりした。誰もが死んで行く運命にあるのだけど、驚いた。なぜなのだろう?
私たちの時代が少しずつ過去になり始めたことを、西城秀樹の死が告げ知らせているからだと思う。
人の死で、衝撃を受けたのは、祖母が死んだ時だった。
末期癌で、見ているのが辛かった。もうそんなに長くないのは分かっていたけれど、死の知らせを聞いた時は、涙が止まらず、本当に悲しかった。
大事にしていた愛犬が寿命で死んだときも辛かった。昨日まで一緒にいたのに、もう一緒にいることが出来ない。
そのどうしようもなさは、なかなか消えて行かないし、祖母や愛犬の死を体験した時の残響は、今も私の中で響いている。
私は、両親に大事に育てられたせいか、性格のためか分からないが、ある年齢まで汚いもの・辛いもの・悲しいものを見ないで生きてこられたと思う。
だけど、年齢を重ねるにつれ、世の中の悲哀・不合理・矛盾といったものに、出会わざるを得なくなった。
死はその最たるものだ。
だけど、これ以上ない悲しみに出会って、それを乗り越えた時、人は強く、そして優しくなっている。これは間違いない。