今年も、突然、数週間前から金木犀の匂いが香り出した。
嫌いではない。でも大好きという匂いでもない。けれど、季節を感じさせる匂いとして代表的な金木犀の匂いは、初秋への思いと重っている。
金木犀の匂いが立ち込めると、過去へと遡行してしまう。過去の記憶が浮かび上がる。
しかし、直線的な時間を生きている私たちだからこそ、二度と帰ってこない過去を懐かしんでしまうけれど、循環し・反復し・振動する時間を生きている人たちにとっては、過去はまた舞い戻ってくる。
直線的な時間感覚から脱出することは、もっと豊かな世界を生きるための基幹的な知恵だと思う。
夜の三条大橋付近。
ISOを高く設定すると、フラッシュなしできれいな写真が撮影できる。
夜の風景に似合っている。
中華料理店の2階。
ステンドグラスのように光が洩れる。
暮れていく街並み。今日も1日が終わる。