写真の構図として、横に平行に伸びる構図、上の写真のように横長で整頓された落ち着きのある構図を撮影するのが、心地いい。
この写真は先日撮影した下関駅前のビルの写真です。
上の写真のような構図を、比較的有名な作品で言うなら、エドワード・ホッパーの上の作品「日曜日の早朝」などは、見ていると落ち着けて、色々と想像できる。
どんな人がそこで生活していて、日曜日の朝早く、まだ寝ているんだろうなとか。
広い広場で、空もはっきりと見渡せる。こうした場所を撮影するのも気持ちがいいです。青い空と雲が、まるで、空ってこんなんだっけと思わせるほどに、くっきりと写されています。
この写真も先日の下関タワー近くの広場の写真です。
デキリコの描くイタリアの風景にも、茫漠とした空間が登場します。
遠くまで見渡せる広い広場。
デキリコの作品で一番有名で、私も大好きな絵は、この「街角の神秘と憂鬱」でしょう。
たまたま、パソコンで見ていたら、この作品と同じ画面の中に、次のような写真がありました。
この作品は、キリコの作品の一部を切り取っていて、少し離れたところから、少し違った角度から、輪回しの少女を捉えています。
今まで、キリコの「街角の〜」はただ、不思議な絵だな、既視感を感じさせる絵だなと思っていたのですが、それ以上は考えもしませんでした。
偶然パソコンで見たキリコ模写の作品は、キリコの「街角」が、360度の周囲への想像を膨らませれば、また別の解釈やイメージが湧いてくるのではと思いました。
考えてみれば、キリコの作品は、どれも似ている作品が結構多い。
「街角」の前に載せた作品も、「街角」と似ている。
そう考えれば、輪回しの少女の行く先には、上の銅像と広場が待っているとも想像できる。そして、さらにそこから様々な想像が広がって行く。
少し、世界が広がったように思います。