また、外国へ戻ってしまうの?
アリアドネの麻の菜は、また忽然と消えてしまったみたいだ。
今回、帰国してから、仕事を言い訳にして、何も言えなかった。
何を言えば、どう言えば、考えていたけれど、言えなかった。
迷惑になるかもしれないし、私自身、言うのが怖かった。
言いたいこと、話したいことはたくさんあるんだよ。
いつ帰ってしまうのか、分かっていても、何も新しいことは出来なかったと思う。
だけど、一番の原因は、自分自身がどうしたいのか、本当はどうしたいのかが、決められていなかったからだと思う。
でも、本当は心の中では決まってるんだ、どうしたいか。
機が熟していないんだと思う。
もうしばらく待つしかない。考えて動いて、考えて動いて。
あなたの方も、色々なことを考えていると思う。
私が何か言って来るのを待っていたように思えた。
ラテンアメリカの首府の、植民地時代の遺物である市庁舎から、階下の広場を見下ろしたことがあった。
その時の光景が浮かんできた。どうしてなのか分からない。
前に言ったこと、書いたこと、それは今でも全く変わっていない。
マタイ伝の言葉を最後に書いたのも、あなたの真似をしながらも、マタイのその言葉に、自分の思いを託したかった。
あなたに、私の言いたいことは伝わっていると思う。
今度帰って来るまでに、力をつけておくよ。自分にもあなたにも負けないように。
あなたのことは、私の力で何とかする。
だから、今度帰ってきたら話すよ。
もう何処かに行ってほしくないんだよ。
帰って来るの待ってるから。
東京か瀬戸内か南米か、あと数年したら一緒に行かないか。
連絡できるなら連絡してほしい。