ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

オートバイ、その神の領域

f:id:jauma1th:20170430112801j:plain

 先日、同僚の後輩に車で駅まで送ってもらった。

彼は最近、新しい車に乗り換えて、少しでも運転したくて仕方がない。

スポーツカーで、飛ばし屋専門の自動車に乗っている彼は、まだ20代前半の高校生のような風貌の青年である。

 

私も、ハイティーンから20代前半にかけて、オートバイや自動車に惹きつけられた時期があった。

私の場合は、最初オートバイだった。RZ250という飛ばし屋の2サイクルエンジンをしばらく乗り回していた。

銚子辺りの長く伸びる一本道で、時速180キロを体感した。もし転んだら、死んでしまうだろうなと思った。視界が極度に狭くなる。けれど、その普段体験できない究極の世界に触れることで、自分の中にもう一つの新しい領域を見つけたように思えた。

 

オートバイの世界選手権は、180キロどころではなく、もっと高速で、難しいコーナリングを疾走する、プロフェッショナルの競技である。

私がオートバイに乗り始めた頃、すでに引退してしまっていたが、伝説の日本人ライダー片山敬済の余韻が、世界選手権の世界には、まだ大きく残っていた。

彼は、まだオートバイの世界が日本で市民権を得る遥か以前に、単身でヨーロッパに渡り、世界選手権で優勝した。しかも、参戦から数年後には、世界選手権でチャンピオンの座に着くという前人未到の快挙を成し遂げた。

オートバイの世界は、日本ではどうしても、不良・暴走族のイメージが強く、反社会的なレッテルを貼られていた。

片山の活躍は、その反社会的イメージを刷新する嚆矢になった。

 

モータースポーツの世界も、れっきとしたスポーツの世界である。

そこでは、オートバイや車といったメカの性能を高めるために、メカニックが日々研鑽している。そして、そのメカと、ライダーというズバ抜けた運動神経の持ち主がシンクロして、高度な走行を繰り広げる。

実際に、オートバイや自動車を運転する人ならば、時速200キロのスピードでコースを疾走することが、神業であると直ちにわかると思う。

 

神の領域

人もまた、オートバイを駆ることで、その神の領域に接近することができる。