昨日、しばらくの間、解消できなかった問題を解決させることができた。
センサー制御における反射率と閾値の問題だと思っていたのだが、そこに問題はなく、全く別の要因が作用して、誤作動を起こしていたことが分かった。
それを発見し教えてくれたのは、非常に優秀なエンジニアだった。彼と話していると、とても明瞭に何が起こっているのかを説明してくれる。
話しているうちに、若かりし日の記憶が蘇った。
私はある学問における当代随一と私が考える先生のもとで、研究していた時期があった。数年間、その先生のもとで学んだことは、それ以後の私の生き方に大きな影響を及ぼした。
だけど、その先生から私が最も深く学んだことは、専門の学問上のことではなかった。
もちろん、毎回聞く講義や演習、雑談などで繰り広げられる、目の付け所や発想の柔軟さと鋭さは、驚きの連続だった。
私が一番学んだこと、それは、普通に考えるということだった。
難しく奇を衒って考えず、疑問に思ったことに対して、率直に普通に考えていくこと。この態度こそが、今ある地点から一番遠くまで思考を牽引していくことができる。
この教えが、私がかけがえのないものとして学んだ事柄であった。
昨日のエンジニアの解決も、誤作動の観察から始まって、普通に何が起こっていればこうした誤作動が起こるのかを、ごく簡単な身の回りの法則に従って考え、導き出したものだった。
普通に考えること。簡単なようでいて、身に付けるのには日々の訓練が欠かせないと思う。