ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

彼岸過迄、オウムの影

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年度末という訳ではないのだが、今日は半日仕事に行った。

帰りに本屋さんに寄った。本屋に寄るのは、私の病気である。

 

以前から気になっていたマンガ『ダンジョン飯』を買った。

ダンジョンというのは、最近の流行り言葉である。

ダンジョン・脱出という組み合わせで登場することが多いけれど、脱出不可能な場所からの脱出劇というドラマは、いつの時代でも魅力的なストーリーだと思う。

この漫画は、ダンジョンで遭遇するモンスターを料理するという奇抜なアイデア作品である。女性漫画家によるもので、絵も可愛らしい。 

 

80年代・90年代の頃によく読んでいた雑誌『現代思想』は、最近では関心のあるテーマの時しか読まなくなった。

 3月の臨時増刊号は、各分野のトップランナーの学者が、自分の専門領域で美しい理論を紹介する特集。

現在の私は、自分の関心ある特定領域だけでなく、幅広い分野について浅くでも知っていきたいなと思います。

 

私は、水・海・湖・川・沼といった水系ものが好きである。できれば近くに川や海があればいいなと思う。

魚と日本人――食と職の経済学 (岩波新書)
 

 数年前に、同じ著者の漁業ものの著作を読んで、結構勉強になった。

この本を読んでみると、小学生の頃、社会科で習った市場・卸売・スーパー・小売店の仕組みや問題点が興味深く分析されており、「生活する」ということの肌触りが伝わってくる。

 

今日、自宅にお寺さんが来た。お彼岸だからである。

彼岸という言葉を聞くと、いつも夏目漱石の『彼岸過迄』が思い浮かぶ。

彼岸過迄 (新潮文庫)

彼岸過迄 (新潮文庫)

 

青空文庫彼岸過迄

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/765_14961.html

 

彼岸過迄』は、お彼岸と全く関係ない内容である。連続するストーリーだが、いくつかの短編に分かれていて、短編ごとに話者が異なる。

漱石の作品は面白い。けれど、それは推理小説のようなカラクリがある面白さとは違う。だから、いわゆるネタバラシの対象にはならない。

この点は、村上春樹も似ていて、村上の作品にも、ネタバラシになるようなストーリー展開はそんなにない。夏目漱石村上春樹も、ストーリーの面白さに魅力があるのではなく、その語り口・文章・描写力といったところに魅力があると思う。

 

地下鉄サリン事件からもう22年も経過した。

日本社会の内なる闇であったオウムの影は、この20年ほどの間に、どのように変化していったのか。

オウムは決して人ごとではない。この事件を通じて、自分たちがどのようなメンタリティを有しているのかを、良識ある人たちは痛感したに違いない。

当時、オウム真理教を狂った教団と呼んでいた人たちもいた。しかし、その態度は、オウムの問題から目を背けているだけである。

オウム事件が残した問題は、現在も課題として、山積みにされている。