アイドルグループ私立恵比寿中学の松野莉奈が18歳で病死した。
私は松野莉奈のことは知らないのだが、18歳で死去というニュースに驚いた。
私も20代の頃、同じ大学の先輩・同期・後輩が逝去した。先輩は突然死、同期は病魔と闘っての死去、後輩は断定はできないが自殺だったと思われる。
どの死にも驚いた。特に後輩の死は私が卒業してからで、電話で知らせを受けた。その時の風景や空気を今でも写真のようによく覚えている。
私が在学中で、悩みなど相談してくれていれば死なずに済んだかもしれない。なんで死んだんだよと思った。
でも、人の死で一番辛かったのは自分の祖母が死んだ時だった。
癌で、最後に見たとき、もう余命幾ばくかという状態だった。
だから、覚悟はできていたけれど、下宿先の電話が鳴って祖母の死を知らされた時、止めどなく涙が流れた。辺りの空気が止まった中で、涙を抑えることはできなかった。
人の死は辛いものである。その死が身近な人であると、本当に辛い。それに加えて若死にだと、残されたものの辛さは尋常ではない。
松野莉奈さんも辛く無念だったと思う。それに残された身内や友人の方は本当に辛いと思う。でも時間は掛かっても乗り越えて欲しいと思う。
その昔、人生50年と言われたし、人の寿命も短かった。人は戦争や飢饉などで虫けらのように死んでいった。
だから、早死というのは大昔はそれほど珍しくはなかったのかもしれない。身内の人は悲しかっただろうけれど、よくあることだったのかもしれない。
夭折という言葉が登場したのはいつ頃のことだったのだろう?
石川啄木、ガロア、ラディゲ、北村透谷など、夭折の天才と言われる人は結構いる。でも、若くして死去し名を残したのなら、それは天才だろう。僅かな期間に優れた業績を残したのだから。
夭折という言葉は、病死・事故死の場合に適合するように思う。だから自殺は夭折とは少し違うニュアンスを含んでいるように思う。
ともかく、死んでしまう場合、自殺とそれ以外に分かれるだろう。
沖雅也が飛び降り自殺をしたのは衝撃だったし、岡田有希子の飛び降り自殺も本当に驚いた。
田中実の自殺にも、伊良部の自殺にも驚いたし、覚えてはいないが三島由紀夫の切腹もそんなことする人がいるのかと驚いた。
年齢に関わりなく、自殺というのは、人間に固有のものだし、衝撃的な行為だと思う。
死ぬということは、誰しも体験しなければならないことだし、というか避けて通れないし、そこで存在が消えてしまうわけだけれど、未知の領域だから想像しにくいし、怖いと言えば怖いし、できれば眠るように死んでいきたいなと思う。