ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

年末だから楽しめる

 

 

 漫画雑誌は、年に数冊しか買わないが、先日たまたま何となく読みたくなって買った。

安倍夜郎深夜食堂』は、相変わらずの、おっさんぽいほのぼのさだけれど、リアリティがある。

カラシユニコ『メメント飛日常』は読み切りもので、猫が会社の仕事にチャレンジする、あり得ないお話だけれど、そんなに不思議な感じはしない。

他人に厳しい人は猫にも厳しい。

 

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

 

 心理学者河合隼雄の処女作。

彼は、人格のタイプについて、次のような鋭い指摘を行なっている。

 

タイプを分けることは、ある個人の人格に接近するための方向づけを与える座標軸の設定であり、個人を分類するための分類箱を設定するものではないことを強調したい。

 

つまり、例えば、血液型でもA型なら、その人の性格はこれこれこうだと、決めつけてしまうが、そうではなく、A型というのは、その人の人格に接近するための道標に過ぎないということ。

A型というものを、取り敢えずの目安にして、その人のより精密な人格に踏み込んで方向修正していくこと。全くのA型というのがある訳ではなく、他の要素も含んでいるのが通常である。

 

というように、この書物には鋭い指摘が多々あり、ユングのみならず、心理学の入門書として優れていると思う。

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 少しずつ読んでいるのだが、世界的なピアノコンクールを舞台にした、履歴の全く異なる異色の四人のピアニストによる戦いを描く。

本の最初のページに、四人のピアニストが何の曲を弾いたかがきっちりと書かれていて、コンクールの課題曲も載せられているところが、私的にはこの本に親しみを感じた。

四人の過去の履歴や、コンクール演奏時の姿や空気が克明に綴られていて、登場人物に厚みが感じられる。読みやすい文章で、クラシック音楽が好きな人は結構楽しめると思う。

 

ベルリン廃墟大全 ―ナチス、東西分割、冷戦・・・光と影の街を歩く

ベルリン廃墟大全 ―ナチス、東西分割、冷戦・・・光と影の街を歩く

 

 写真を撮るようになってから、写真が主体の本に目が行くようになった。

この本は、ベルリンの廃墟を撮影し、それに解説を加えたものだが、ベルリンにはこんなにも廃墟があるのかと驚かされる。

 

もともとはブログらしい。

www.abandonedberlin.com

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 とある療養所。廃墟となった。

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 ジーメンス線。廃墟となった。

 廃墟は、不気味。ちょっと怖い。

 

草原の実験(字幕版)
 

 今日、見終えた。

セリフが殆どない映画。舞台はソビエト領の中央アジアカザフスタンとか?

背景は全く知らずに見たので、もう一つ分かりにくい箇所もあったのだが、最後は水爆かウラン爆弾かの実験で、主人公たちの住まいが破壊され、本人たちも殺されてしまうという酷いもの。

けれど、全編の殆どの時間は、少女の日常と、少女と男の子2人との三角関係を描いている。

日常と非日常との落差。

何でもない日常、ありふれた恋模様がいとも簡単に破壊されてしまうこと。

でも、日常と非日常は、確かにこの映画が描くように接近していて、この映画のように反転してしまう。