『スターウォーズ・ローグワン』が12月16日に公開される。
この作品は本編の外伝、つまりスピンオフ作品だ。
スターウォーズファンのうち、果たしてどのくらいがスピンオフにも関心を示しているのか分からないが、スピンオフ作品は「異なった視線からの歴史」という点で、重要な作品だと思う。
これは、普通の歴史にも当然ながら当てはまる。
学校で習う日本史や世界史は、教科書、つまり文科省認定の歴史に過ぎない。それは、国が定めた制度の産物の歴史に過ぎない。
そもそも、歴史というのは、教科書に載っているように進行してきた訳ではない。過去の膨大で複雑な出来事の生起の中から、後の世代の人が重要と思われる事象を並べただけのものが、教科書の歴史であるに過ぎない。
だから、過去に振り向ける眼差しの違いによって、無数の歴史が語られうる。
嘗て、アナール学派が取った戦略も、常識とは異なった視線から眺めた歴史であった。
外伝というのは、え、こんな人がいたんだとか、え、あの事件の前にこんな事件が実は起こっていたんだとかいうように、これもまた新しい出来事の発掘、新しい観点からの視線であり、スターウォーズの歴史を拡大させ、複雑にし、ファンを唸らせると思う。
中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 (文春文庫)
- 作者: 與那覇潤
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 文庫
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日本近代史若手のホープ与那覇潤の『中国化する日本』は、現代歴史学の最前線の問題が分かりやすく興味深く語られていて、古色蒼然たる歴史学もこんなに垢抜けし、魅力的な問題を追いかける学問に変化したんだと感銘を受ける。