写真の魅力は、思っていた以上の写真が出来上がることである。
人の目で被写体を見て、この景色は綺麗だと思って撮影してみると、自分の目で見た以上の写真が出来上がることがある。
このことは、カメラというメディアが人間の目以上の性能を持っていることを示している。
しかし、もう少し正確に言えば、人間の目が察知した被写体の美しさを、カメラが人間の目で察知した延長線上に、格段の像を結ぶということである。
だから、人間の目とカメラとは被写体をより正確にキャッチする性能の差はあれど、両者が相携えて協力しなければ、質のいい写真は生まれない。
カメラは想定の範囲を超える世界を生み出す。それは、人間の目を超える世界である。けれど、写真の目は人間の目があって初めて、目として機能する。