関東地方で初雪が降ったと聞いた。
東京で11月に雪が降るのは珍しいと思う。
ネットのニュースを見ると、懐かしい練馬区光が丘公園の積雪写真が掲載されていた。
降る雪や明治は遠くなりにけり
中村草田男の有名な俳句が浮かんできた。彼は昭和に入って、たった20年前にはまだ明治だった世を懐かしむ。
雪は過去の何かを思い出させる。特にそれほど雪が降らない地方では、雪とその日の出来事が際立ってリンクしている。
私も雪を見ると、いくつかの出来事が脳裏に蘇ってくる。
一番すごかった思い出は、自動車通勤をしていて、昼頃雪がチラチラしているなと思っていて、夜、帰ろうとして会社の外に出ると、とんでもない量の雪が積もっていた。
えー、と思って、近所までゆっくり帰ってきたのだが、坂道で雪のため車が進めず、順番にドライバーが数人で、自動車を坂下から坂上まで押していた。
急いでいたわけでもなかったし、なんか面白いなと思って、私も車を押すのを手伝って、30分ほどして自分の番になったので、帰宅できた。
雪が降らなければ体験できなかった、もうずいぶん昔の思い出である。