映画『君の名は。』が大ヒットしている。
私はRADWIMPS繋がりでたまたま鑑賞したのだが、この物語のディテールが気になって、新海誠が書いた小説版『君の名は。』を読んでみた。
読んでみて、勿論、物語上のいくつかの謎を解読するための糸口は得られるが、この映画は、そもそも細かいディテールに拘るべき映画ではない。
新海誠は小説のあとがきでこう述べている。
「この物語はもちろんファンタジーだけれど、でもどこかに、彼らと似たような経験、似たような想いを抱える人がいると思うのだ。大切な場所を失い、それでももがくのだと心に決めた人。未だ出逢えぬなにかに、いつか絶対出逢うはずだと信じて手を伸ばし続ける人。」
新海誠はこうした人に向けて小説を書いたのだと言っている。
映画も小説も、『君の名は。』は、そこから投げられたメッセージを受け止めて、自分の生活や生き方に投影させることのできる作品だと思う。
この作品には、夢があり、希望があり、生きることの眩しさがある。