花や動物や外の景色を見つめ、そこから世界の成り立ちを理解する人がいる。一方で、外の景色には目もくれず、ひたすら書物を読んで、そうか世の中はこうなっているんだと理解する人がいる。
私の父と母は、まさにこの二つのグループの組み合わせである。
父は書物を読んで世の中を分かったつもりになっている。母は書物はほとんど読まず、外の世界に目を向けてそこから世の中を理解している。
世間をうまく渡り歩いて行くならば、母のようなスタイルでないと無理だと思う。概して、男性は世渡りが下手で、頭でっかちな傾向があると思う。
女性の社会進出が目覚しいとか言われて久しいけれど、大して役に立たない男性陣が仕事をするよりも、人間関係をうまく作れる女性が会社などで働いたほうが世の中うまく回ると思う。
少々、男性批判が辛辣になってきたけれど、書物の世界も非常に豊かでそこから知識や生き方を引き上げることは大切だと思う。けれど、私たちはまずは人との関係を作って生きているから、それが上手くできないと生きづらいし、何かをしたいと思っても障害になってしまう。
以前、ある人に、これを読めば今の世の中や若者のことが分かる雑誌とかないかな?と聞かれたことがある。
それで、二つ三つ、雑誌の名前を挙げておいたけれど、それと同時に、あなたが世の中や若者と接して直に肌で感じ取らないと、何も理解できませんよと言っておいた。
寺山修司ではないけれど、怖がらずに街に出て、もっと世の中と人と接するのがいいと思う。