ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

映像の世界

子供の頃、映画監督に憧れた。映像というものに物凄く惹かれた。中学時代には休みになると映画館に行き、食い入るように見入った。ストーリーや俳優に惹かれるという人も多いだろうが、私の場合、映画というよりも映像というものに戦慄した。だから、こういう映像を撮影したいと考えて、それに見合ったストーリーやセリフや音楽を後からつけるという方法が、正しい映画の作り方のように思えた。ある象徴的な映像が頭に浮かべば映画が作れるのではないか、と思えた。

大人になって、小説などの物語の多彩さを知ってからは、物語から映像へと至る道もあるんだなと理解できた。けれど、物語を映画化するのはあくまで物語の映像化であって、出発点は物語つまりは文字の世界である。物語を映像化するのが映画だと思うが、やはり私が求めているのは映像そのものなのである。

このことは、もしかしたら心というか頭の成り立ちに関係するのかもしれない。人によっては何かを考える際、心の中で文章を作って考えるという人もいるだろう。文字の世界の優位。けれど、私の場合、言葉よりもイメージや映像がまず心の中に浮かび、その映像を説明する適切な言葉を見つけながら考えていくという感じである。映像の世界の優位。

とは言っても、現在の私には、文字の世界も映像の世界もともに魅力あふれる大きな世界である。