トルコ共和国でクーデタ発生。クーデタは基本的に軍隊による政治権力の掌握を目指す行動である。民主的な政権が成熟しておらず、軍との均衡を保ちながら政権運営している場合や、民主的な政権に対して宗教的な組織が根強く力を持ち続けている場合などに生じやすい。近現代のラテンアメリカ諸国や東南アジア諸国では、軍事政権と民主政権の抗争が日常的な歴史となっている。イスラーム圏諸国では、イスラームと民主主義との対立が通奏低音となっている。
今回のトルコ共和国のクーデタは、軍隊による民主政権の転覆という面だけでなく、嘗てのオスマン帝国時代の宗教的基盤が脈々と流れており、その延長線上にあるイスラームによる政権運営という憧れもあるのではないかと思われる。
日本も戦前には幾つかのテロやクーデタがあった。決してテロやクーデタを賛美するわけではないが、嘗てのそうした行動には志があった。国の行く末や政権運営を案じ、命を賭して立ち向かっていった烈士がいた。
