はたと気づくと、6月も明日で終わりである。毎日、似たような日が続くと、今日が昨日のように思え、明日が今日のように思える。
6月の終わりになると、決まって脳裏に浮かんでくるのはK浦のことである。K浦の言葉を聞いて熱くなれるのは、一緒に飯を作って食べ、寝起きを共にし、練習に明け暮れた仲間たちだけだ。
JR琵琶湖線で石山駅を過ぎ橋を渡ると、琵琶湖を背に瀬田川が流れている。そこにはボートやカヌーやヨットの練習風景が見える。彼らにはおそらく厳しい練習のことしか頭にないであろう。私もこの厳しい練習に一体何の意味があるのかと考えながら練習していた。
その意味はその時には分からない。けれど、その時ひたすら練習すること自体に意味はある。