大帝国中国の属国、大日本帝国の植民地のイメージが色濃い東南アジアだが、多様な民族と文化を抱え、アジアの東南という地理的な名称だけには収まらない国々が結集している。
インドネシア、シンガポール、フィリピンなど島国だけでなく、大陸続きの国においても、東南アジアは海、港、船といった水のイメージがある。
しかし、19世紀以降の東南アジアの歴史は血みどろの侵略・戦争の歴史である。ディエンビエンフーの戦いでホーチミンが高らかに勝利宣言するまで、東南アジアは他国に蹂躙され続けた。
タイの田舎などに行くと、仕事をしているのか休んでいるのかよく分からない風景に出会う。聞いてみると、このリズムが仕事のリズムだという。彼らはあくせく働いたりはしない。それでいいのだと思う。中南米に行っても、W杯の試合があるから昼から仕事は休みということがある。でもこれでいいのだと思う。
そこに行くと、日本は狂気の沙汰のように忙しなく働く。まさに仕事に忙殺されている。
異国に行くと、日本の不思議さがよく分かる。