ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

太宰治、拒否感、墓石

長い間、太宰治の小説に抵抗感があった。教科書に載っていた『人間失格』はなんとか読めたが、その他の小説は挑戦するものの、いつも挫折した。理由はよくわからなかった。

読めるようになった今でも、少しずつ読めるだけである。すらすらとは読めない。

読めるようになった切っ掛けは、太宰の墓について知ってからである。太宰の墓は三鷹市禅林寺にある。墓石の色は真っ黒で、本名の津島修治ではなく太宰治の名前が銘打ってある。しかも、その斜め前には森鴎外の墓があり、その墓には森鴎外ではなく本名の森林太郎の名前が銘打ってある。墓の指図は太宰の遺言らしい。

太宰の墓を思い浮かべるたびに、彼がどんな思いで小説に取り組んでいたかが感じ取れるように思えた。