ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

大宮サンセット


スピッツ - 大宮サンセット(live2014)

この街で俺以外
君のかわいさを知らない
今のところ俺以外
君のかわいさを
知らないはず

大宮サンセット
君は何故
悲しい目で微笑む
大宮サンセット 手をつないで
歩く土曜日

小さなことが気がかりで
何度も繰り返し考える
優しい雑音に耳すま
無理やり目を閉じて考える

あの 大宮サンセット
妙にでかいね
小さな世界を照らす
大宮サンセット
正気じゃないぜ
まだここにいて

君を抱きしめたいよ
今夜 俺は寝ないよ
期待はずれの日々を
塗りかえていく術を知る

あの 大宮サンセット
妙にでかいね
小さな世界を照らす
大宮サンセット
正気じゃないぜ
まだここにいて

この街で君のかわいさを誰も知らないと歌う。君を好きなのは僕だけなんだと歌う。だけど、君は悲しい目で微笑む。一緒に歩いているのだけれど君は満面の笑みではない。君のちょっとした行為が気がかりで、どうしたんだろうって考えてしまう。大宮に輝く夕日は幸せに満ちたようにとても大きく、君の事だけを考えている私の世界はあまりにも薄暗くて小さく、大宮サンセットはそんな世界を照らしている。


最初の方の「知らないはず」という歌詞の「はず」はメロディーラインとは少しずらして歌われている。いかにも不自然。だけど歌詞の意味を少し考えると、この「はず」は意味深い「はず」に変わる。「はず」を強調しているのだと思われる。
俺しか君のかわいさを知らない「はず」なのに、君の仕草から見え隠れする不気味な影。そんな俺の不安感をこの「はず」が表現している。


「優しい雑音に耳すませ無理やり目を閉じて考える」
優しい雑音とは君の声だろう。私の質問に君は一言二言、小さな声で消えてしまいそうな雑音のように返事をする。それがどういう意味なのか、無理やり目を閉じて考えようとする。


「君を抱きしめたいよ 今夜俺は寝ないよ 期待はずれの日々を 塗りかえていく術を知る」

このフレーズから分かるのは、おそらく俺と君は一緒に暮らしてるんじゃないのかなということ。そして、ここのフレーズはそれまでのメロディーから切り替わって歌われる。起承転結の転に当たる。


俺と君は一緒に暮らしている。君のかわいさを知って好きになり一緒に暮らすようになった。だけど、最近気掛かりだ。前と様子が違ってるように思える。一緒にいて楽しくないのか?手を繋いで休日を過ごしているのに、どうしてそんな悲しい目で微笑むんだ。君のちょっとした仕草や返事が気になって考え込んでしまう。
幸せの象徴のような大宮サンセットが俺の薄暗い小さな世界を照らす。俺がこんな状態だから夕日が妙に大きく見えるんだろうな。俺は正気じゃいられない。だからまだここにいてほしい。
とうとう俺は君の本心に気付いてしまった。今夜が最後の夜になるかも知れない。だから今夜、俺は寝ないで君を抱きしめていたいと思う。俺の不安は気のせいではなく期待外れに終わった。この不安定な期待外れの日々も、私はそれを受け入れる覚悟はできている。
だけど俺はまだ正気じゃいられない。だから大宮サンセット、沈まずにまだここにいてほしい。恋人よ、消えずにまだここにいてほしい。

大宮サンセット、大宮に沈もうとする夕日、それはまさしく消えようとする恋人のことである。