ojos de perro azul:青い犬の目

青が好き。時々刻々と興味・関心が移ろいで行きますが、あまり守備範囲は広くありません、

洋上の人となりにければ

しばらく更新していなかった。半月ほどしていなかった。私にしては珍しいことだ。 仕事が忙しい訳ではなかった。むしろ楽になってきていた。 夏の疲れで眠くなるのが早かったが、書く時間がない訳ではなかった。 忘れていたのでもない。結局、書く気が起きな…

新しい空気を入れて

今日、仕事があった。 早朝、いつもと異なる交通手段で通勤した。 普段は通らない民家の垣根や玄関のある通りを抜けた。そこはかつて、私も属していた空間だった。人のぬくもりの匂いがした。人が生きている感触が伝わってきた。 私も東京のいくつかの場所で…

911、2018 平成最後の911

8月は意外とブログを書いたからか、9月に入って時間は結構あるのに、それほど書こうという気にならない。書くネタはたくさんあるのだが、ネタがあるのと書く気になるのとは違う。強制的に書かなくてもいいから、書きたいと思うときに書くまでである。 この頃…

音楽は社会の関数である

今朝、たまたま耳にした音楽が、ルックの「シャイニオン」だった。 とても懐かしく思った。一度聞いたら忘れられない曲である。 もうとても前の曲で、1980年代頃の曲だと思う。 歌詞自体は、別れた女性が忘れられないという、ありふれた陳腐なものだが、この…

There is no such thing as coincidence.

この世に偶然などない。全ては必然だ。 There is no such thing as coincidence. 大きな災害に見舞われたり、交通事故に遭遇したり、空き巣に入られたり。 もう随分前に、東京の青山に父親が来たことがあった。洒落たバーで酒を飲んだ。 何を話したか覚えて…

昭和は遠くなりにけり

『ちびまる子ちゃん』の作者さくらももこが逝去した。 平成とともに始まったアニメ版をよく見ていた。そこに描かれていたのは昭和時代であった。数年前に昭和が終わったから、懐かしさもなく、世間にはまだ昭和の名残があった。 昭和時代とは何だったのだろ…

孤独はなぜ僕を見つめ続ける?

老後をどう過ごすか? 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の私は、ギリシア語とチェロを練習する老後を思い描いている。 これは私の理想にも近い。語学と音楽好きな私も、ピアノ、バイオリン、フルートなどとギリシア語、ロシア語、中国語など…

崎谷は憂鬱だ

当時まだマイナーだった崎谷健次郎の曲に触れたのは、たまたま後輩の部屋に行ったことがきっかけだった。 何の曲だったか覚えていないのだが、崎谷の曲が流れていて、それまで聴いたこともない曲調と歌声であり、これ誰?と聞いた。 それから数年、ずっと聴…

メモランダ

夢印 (ビッグコミックススペシャル) 作者: 浦沢直樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/07/30 メディア: コミック この商品を含むブログ (1件) を見る 浦沢直樹が短期連載していた『夢印』が早くも単行本化している。 これ一冊で完結しているので、いつ…

ぼんやりしていること

土曜日の午後は、金曜日の朝と同じくらい好きな時間だった。 学生寮のベッドの上に寝転んで、外に生い茂る木々を見ながらぼんやりしていた。 仕事を始めてからも、土曜日の午後は窓の近くに横になって外をぼんやりと見ていた。 夕方になって、外に出て、暮れ…

静かに打ち返す波のように

昨日、旅の最終日、まだ行っていないところで静かな場所と思い、山口県周南市徳山に宿泊した。以前の徳山市だ。 ホテルの目の前に瀬戸内海が横たわっていた。静かに打ち返す波の音が、桟橋にあたり、岸にあたっては、微かなざわめきとなって消えて行く。 遠…

蚊のいない夏、幽霊のいない夏

旅も二日経過し、旅行というよりは、日常生活を普段と違った場所で過ごしている感覚になって来た。 昨日は熊本市から博多に向かい、だけど、相当な暑さでもう動きたくないと思った。 一先ず、博多駅前を撮影して記録に残しておきます。 エスカレーターの利用…

くまモンを追って

熊本駅に到着。くまモンはどこにでもいる。 中国・九州は路面電車が走っているところが多い。 長崎市、鹿児島市、熊本市、広島市、岡山市など。 くまモンスクエアを見つけた。 くまモンは有名だけれど、子供向けキャラクターかな。 スクエアの中にある。楽し…

南洲翁の地へ

南洲翁こと、西郷隆盛の故郷、鹿児島市に来た。 山陽・九州新幹線は、大変な混雑ぶりであった。自由席しか購入できず、博多まで立っていた。帰省ラッシュであり、仕方のないことである。 桜島と市内を回った。 西郷・大久保・ザビエルの銅像があった。 最後…

夜の帳が下りる頃、世界は別の顔を見せる

夜の帳が下りて、辺りの風景が見えなくなる頃、ゆっくりと起き出して1日が始まる時代もあった。 部活動も引退して卒業論文を準備している頃、ひたすら書物に向き合っていたので、時間が経つのを忘れていたら、深夜になることが度重なって、昼夜逆転の生活に…

前向きに、元気に、パワフルに

大学時代、西洋史学科に在籍し歴史学を研究していた。 しかし、そこで出会った学問には疑問があったし、当時のアカデミックなスタイルは、衒学的とでも言えるような、それこそ趣味的であるようなスタイルであった。 だから、実際のところ、そのような学問な…

生かされつつ生きている

西の方角に日が沈み、赤々と西陽が燃え咲き、我々は家路を急ぐ。1日の縛りを解かれて、強張っていた頬も笑顔に変わり、疲れのためか居眠りをする人もいる。 我々は生きているのか生かされているのか、自立しているのか自立していないのか。 足は速い方だった…

soliloquio 独り言

近頃、頭を悩ますことがある。女性に言い寄られているのだ。 中学生の思春期頃から、私は女性に言い寄られることが何度かあり、それが自分はいつも辛かった。女性嫌いという訳ではない。綺麗な女性や可愛い女性に言い寄られても、苦手で、辛かった。 それは…

平成の大きな事件、オウムの人たち

オウム真理教幹部の残りの刑が執行された。 人ごととは思えない事件であり、決して刑が執行されたからといって、この事件が終わった訳ではない。 これから、ここから改めてこの事件が何を意味していたのかが、追究されていく必要がある。 彼らが目指したもの…

宇宙の無限、心の無限

そこにたくさんの人がいて、あちらにたくさんの人がいて、街は社会は人で溢れている。そのどの人の声色も一つ一つ違うように、一つ一つの性格も異なる。 海を見たり、桟橋を見たり、鳥が川面近くを旋回して大空へと飛び立っていくのを見たりしても、人は皆異…

Mr.Children覚書

1988年12月、年の瀬を迎えた頃、4人のミュージシャンが渋谷のロイヤルホストに集まって、バンド名を考えていた。紙ナプキンに書かれたその名前は、そう「Mr.Children」だった。 1989年昭和64年が到来した。 昭和64年は7日しかなかった。激動の昭和が終わり、…

祇園囃子の響きはどこから聞こえてくるのか

祇園祭の宵山から帰ってくると、母親は真っ暗な土間の電気を点けた。真っ暗闇の中にぼんやりと辺りの輪郭が浮かび上がってきた。部屋の方にも薄っすらと明かりが届き、卓袱台や本棚が見えた。祇園祭の喧騒は夢のように搔き消え、音一つない空間に、雪駄のカ…

停止した時間の中で境界線を歩く

今日も列車は運休が多い。 若き日々、長い間暮らしていた茨城県では、自動車かオートバイがないと生活できなかった。 電車が中心の生活は、東京に移り住むまであまりしたことがなかった。 子供の頃は自転車かバスだった。 滋賀県も茨城県に似ていて、自動車…

オオアメとオウム

大雨に見舞われた京阪神地区は、昨日から降り続く雨の影響で、JRはほぼ全線操業を停止した。京の町は、それほどいつもと変わる気配でもなく、ただ大雨で観光客の出足は減り、地元の人たちは、あまり見たこともない鴨川の氾濫のごとき風景に釘付けになってい…

七夕、消え行く人、見送る人

先日、大雨のため、琵琶湖線が運転を見合わせた。たまたま滋賀県に来ていたため、電車に乗れず、タクシーもいっぱいで、二駅ほど歩いた。 西武線では、時々、飛び込み事故があって列車がストップした。またかと思って、池袋で時間を潰すことがあった。 自然…

ライサンダーとハーミアの夏の夜の夢

ライサンダーとハーミア、オーベロンとティターニア、ディミトーリアスとヘレナの恋物語は、円満に解決を迎える。 妖精パックの媚薬に惑わされて、恋模様が混乱してしまうが、夏の夜の夢のごとく、3組の男女は上手く鞘に収まる。 K教授の英文学の夏休みのレ…

日曜日の陽だまりの樹

先日、仕事仲間で呑みに行った。 最初はビールと決まっているが、私はビールは飲まない。居酒屋でのビールは、あまり好きではないからだ。 職場のどうでもいいような話で盛り上がり、ちらほら本音も出て、それなりに飲み会の本分が素直に出た、カタルシスな…

何かをやってはいけないのではない

何のためにブログを書いているのか? 私は少なくともある人のために書いている。その人と関係のない内容であっても、その方が圧倒的に多いが、その人のために書いている。 その人が読んでいるかどうかは分からない。でも書いている。 勿論、文章を書くのが好…

大地震は、私たちを遠くへ連れて行く

今月初め、中米グアテマラでフエゴ山噴火により、多くの犠牲者が出た。 グアテマラは火山大国で、古都アンティグアや新都グアテマラシティに滞在していると、地元の青年が火山見物はいかがですかと勧誘に来る。 火山爆発も多いし、地震も多い。街には至る所…

100 years ago

昨日は、部下のミスの後始末で、本人ともども出勤した。 昼から長く伸びた髪を切りに行った。 ふと、髪を切ってもらっている最中、山口市に行ってみようかと思った。 結局、行かなかったのだが、行くつもりでいたので、新幹線で読もうかと思い、『文学界7月…